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「輝ける子―100メートルを10秒で走れと言われてもさ、いっくら努力しても走れない奴っているじゃん」

輝ける子―100メートルを10秒で走れと言われてもさ、いっくら努力しても走れない奴っているじゃん輝ける子―100メートルを10秒で走れと言われてもさ、いっくら努力しても走れない奴っているじゃん
(2002/07)
明橋 大二

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★★★★★

あの大ベストセラー「子育てハッピーアドバイス」の著者、
明橋大二氏の一冊です。
各章が簡潔明瞭にまとめられているのですが
33章もあるので、章同士のつながりや全体像が
ちょっと分かりにくかった気がします。

でも、各論はとっても分かりやすいです。
子育ての本というより、子どもの心理を優しく解説した本です。
犯罪や事件を起こす子、自殺してしまう子どもは、
どうしてそういう行動を起こしてしまったのか、
その根底にはどういう気持ちがあったのか、
さらにそういう気持ちはどういう環境から生じたのか、
ということを多くの事例を用いて説明しています。

少年犯罪を起こすような子はいったいどういう育ち方をしたのだろう、
どうすればそうならないように育てられるのかと、
私は事件が起こるたびに思います。

本書を読んで、すべては子どもの自己評価を大切にしてやることに尽きる、
と感じました。

その自己評価が低くなる原因は大別して3つに分けられ、
そのひとつが親子関係だと言います。
さらに親子関係には親からの否定、親子関係が希薄、親や祖父母の過干渉という
3つの問題があります。

この「親からの否定」の個所で、こんなくだりがありました。

……子どもの場合は、何よりも大切なのは親です。どんなに虐待を受けている子でも、親のことを悪く思いたくない、親は、本当は、やさしい人なんだ、愛情のある人なんだ、と思いたいのです。それなのに、これだけ殴られたりするのは、自分が悪い子だからだ、自分に価値がないからだ、と思うのです。 (P101)

ここを読んだとき、ゾクっとしました。
ある事件を思い出したからです。
埼玉県三郷市の民家で今年3月、幼児3人が置き去りにされ、男の子が死亡した事件
幼い弟や妹の面倒を押しつけられた6歳の男の子は、
男のもとへと出て行ってしまった30歳の母親をかばい、
「本当に全部ボクが悪い。面倒みろと言われていたのに、全然お菓子とかあげないで」
と言ったそうです……。

話が脱線しました。
さて自己評価には2段階あって、
まずは「存在に対する安心、ありのままの自分で良いのだという安心」であり、
次は「スポーツや勉強ができるなどの能力に対する自信、ほめられて得る自信」なのだそうです。
これについてはハートフルコミュニケーションの菅原裕子氏も
「お母さん早く早くと言わないで!」で同じようなことを述べていました。

まず「存在に対する安心」ありきで子どもに接しなければなりません。
でないと、能力の自信だけに頼ってしまう子は、ほめられなくなったと同時に
自分の存在価値を失ってしまい、やがて壊れます。
親はつい、子どもの成績や運動能力に関心が行きがちですが、
ちょっと立ち止まって、我が子が第1段階の安心をちゃんと得られているかどうかを
確認しなければならないんですね。

theme : 子育て・教育
genre : 学校・教育

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