2008.12.01
『魔法のしつけ』
![]() | 魔法の「しつけ」 (PHP文庫) (2008/11/04) 長谷川 博一 商品詳細を見る |
前に記事にした『お母さんはしつけをしないで』の著者の最近の著です。
『お母さんは〜』の内容が強烈に印象に残っていて、
学ぶことも多かったので、
書店で上の本を見つけた時は迷わず買いました。
前著で「しつけをするな」と言っていた著者が、
今度はどんな「魔法の」しつけ方法を教えてくれるのか、
と期待して読んだのですが、かなり期待とは違いました。
13章で構成されていて、11章までは教育・子育ての現状、
親子の悲惨な現状がたくさん書かれてあります。
著者はカウンセラーとして、めちゃくちゃ深刻なケースに
多数当たっているので、具体例や
実際の親子のやりとりと思われるシーンの描写は、
それはそれは強烈です。
(少なくとも、フツーに子育てしているつもりの私には)。
たとえば、中学生の娘が帰宅後すぐに宿題に取りかからねば
母親は包丁を持ち出して、娘の胸元に突き付けながら叱る家庭。
その娘と著者の会話で、娘はひたすら、
お母さんのことを好きと言い続けます。
でも、具体的にどこが好きなのかは分からず、
母親が包丁を持ってくるのは「自分がちゃんとしないから」と説明します。
お母さんと離れてみるのはつらいか、と聞かれて
「お母さんがいないのはさびしい、一緒にいたい」と涙ながらに言うのです。
2人の会話が具体的に記述されているのですが、
読んでいて涙が出ました。
これは一例で、とにかく自分には無縁!と思えそうな
ドラマのようなケースがたくさん取り上げられています。
それらがどうしてそのような状態になったのか、
著者は行きすぎたしつけや親の信念、言葉かけなどを
原因として説明しています。
悲惨な状況とその原因の説明がずっと続くので、読んでいて、
いいかげん「じゃー、親はどうしたらいいの?」と早く
解決策を知りたくなりました。
そして12章になってやっと、「結論」として
子どもとへの接し方が書かれていました。
正直、その方法はこれまで読んださまざまな子育ての本で
知っていることがほとんどで、新発見はありませんでした。
なので、なんだ知ってることじゃん、という程度のものでした。
でも!
でもですね。
11章までの悲惨な実例は、子育てをしている人たちにはぜひとも
読んでほしい部分です。
だって、親ならみんな子どものためによかれと思って、
指示したり命令したり、体罰とまではいかなくても、
ちょっとのつもりでたたいたり、とか、あるでしょう?
怖いのは、そういう「これくらい」と思っている親の行為、
もしくはそれすら思っていない、親の何気ない行為や言葉が、
ひょっとすると、親の全然気づかないところで
子どもにマイナスの影響を与え続けているかもしれないんです。
それに気づかないことが、いちばん怖い。
この本(と『お母さんはしつけをしないで』)は、
「こんなの極端な例じゃん」と思うケースをまとめて読める本です。
「極端な例」だから読まない、知らなくていい、じゃなくて、
それがいかに日常的な親子の接し方から発生しうるか、
そのプロセスを知っておくことは、
子育てをする上でとっても重要なことだと思います。
私は『お母さんはしつけをしないで』で、
このプロセスを知ることの重要性を強く感じました。
そしてこの『魔法のしつけ』で、さらにその思いを強くしました。
「お父さんに叱ってらうからね。」と脅す。
もじもじする我が子に「ほら、ご挨拶でしょう?」と促す。
……こういうのも、普段から続けていたら要注意なのです。









